タイは地域や医療施設によって異なりますが、主要都市部にある病院などは高い医療水準を誇っています。代表的な病院は、1980年に建設された大きな施設があります。その病院は現在では国際的な正式認可を受け、30の専門センターを持つ総合病院として、最新式の治療法や診断器具、集中治療を目的とした万全な設備を備えた東南アジア最大の医療施設です。年間100万人前後の利用患者を記録し、そのうち4割が海外からの来客ということもあり、海外移住者に対して私的医療保険の販売も行われています。

タイでは主に、肝炎ウイルスや破傷風などが多く引き起こされる国なので、予防接種を行う診療所の数も多く、軽症患者の治療であれば、診療所で治療を受けることが可能です。ワクチン接種も多様なウイルスに対応しているので、インフルエンザはもちろん、細菌性食中毒やエイズ、コレラなどの重病の予防接種も受けることが可能です。タイはバイクや自動車などの交通渋滞が常に頻繁ですが、救急車を呼んだ際に緊急時の場合は、看護師をオートバイで現場へ急行させると同時に、救急担当者と連絡を取り、現場で応急処置を遂行するという対策を実施しています。医療への関心が他国からも注目を受けている中、最近では受診の際に対象者が治療の内容を理解し、医療従事者と合意を重ねる「インフォームド・コンセント」の意識を高める努力をするなど、病院全体が医療に関して高い意志と姿勢で励んでいます。